会社員の収入だけに頼るのが不安になった理由|30歳SIerが考えたお金の守り方

「この収入がなくなったら、どうなるんだろう」と考えたことはありますか?

私は30歳、SIer勤務で、妻と1歳の子供との3人暮らしです。住宅ローンを抱え、毎月の給与が入ってくる限り生活は成り立っている。でもそれは裏を返せば、「給与が止まったら、あっという間に詰まる」ということでもあります。

子供が生まれたとき、その感覚がより鮮明になりました。「自分一人なら何とかなる」から「自分に何かあったとき、家族はどうなるか」へ。会社員の収入だけに依存している状態への不安が、じわじわと大きくなっていきました。

この記事では、私が「会社員の収入だけに頼ることへの不安」を感じた具体的なきっかけと、そこから考えてきた「お金の守り方」についてまとめています。

  • 不安を感じたきっかけと、その正体
  • SIerという職種で感じた収入構造のリスク
  • 「収入を守る」とはどういうことか
  • 会社への依存度を下げるための3つの考え方
  • 現時点で実際に取り組んでいること

「もっと稼ごう」という話ではなく、「どう備えるか」という視点で書いています。

不安を感じたきっかけ:何が引き金だったか

漠然とした不安は、20代のうちからどこかにありました。でも「まあ何とかなるだろう」と先送りにしていた。それが「先送りにできない」と感じるようになったのは、いくつかの出来事が重なったからです。

子供が生まれて「リスクの感度」が変わった

一番大きな変化は、子供が生まれたことでした。それまでは「自分が何とかすればいい」という感覚で、万が一のことも「まあ自分の話だし」と思っていた部分がありました。

でも子供が生まれた瞬間から、「自分に何かあったとき」の話が、家族全体の問題になりました。自分が長期間働けなくなったとき、会社が突然なくなったとき、ローンを払い続けられなくなったとき——そういうシナリオを、以前より真剣に考えるようになりました。

先輩の姿を見て感じた「このまま続けていれば大丈夫」への疑問

SIerで働いていると、10〜20年上の先輩の姿が目に入ります。長年働いてきたはずなのに、「このポジションで、この先どうなるんだろう」と感じる人が少なくない。会社の都合でプロジェクトから外される、担当業務が縮小する、希望しない部署への異動を打診される……。

「真面目に働いていれば報われる」は前提として信じたい。でも、それだけでは「会社の意思決定」からは守られない。先輩たちの現実を見ていると、「会社に依存し続けることのリスク」がより具体的に見えてきました。

物価が上がる中で「給与の上がり方」への違和感

ここ数年で、食料品・光熱費・外食費など、生活のあらゆる場面でコストが上がっています。一方で、自分の給与の増加ペースはそれに追いついているか?と問われると、正直なところそうは言えない。

「収入が変わらなくても、物価が上がれば実質的な生活水準は下がる」という事実は、頭では分かっていたはずです。でも毎月の家計を見たとき、それが「感覚」として入ってきた。このまま給与収入だけに依存し続けることへの不安が、より現実的なものになりました。

SIerという職種で感じた収入構造のリスク

SIerという仕事は、外から見ると「安定している」と思われがちです。私自身もそう思って入社しました。確かに、極端な収入の波が少ないという意味での安定感はあります。でも数年働いてみて、「安定しているように見える」と「本当にコントロールできている」は違う、と感じるようになりました。

プロジェクト配属で収入の実質的な価値が変わる

SIerの収入は、基本給+残業代+ボーナスという構造が多い。この構造の問題は、残業代がプロジェクトの繁閑に左右されるという点です。忙しいプロジェクトに配属されれば手取りが増えるが、落ち着いたプロジェクトだと残業がなく手取りが減る。自分でコントロールできない部分で収入が変動します。

ボーナスも同様で、会社全体の業績や案件の受注状況次第で変わります。「毎月の手取りがいくらになるか」が自分の努力だけでは決まらない、という構造的な問題があります。

スキルを積んでも給与に直結しにくい

「市場価値を高めるためにスキルをつけよう」という言葉をよく聞きます。それ自体は正しいと思っています。でも、SIerの内部では「スキルを積んだから給与が上がる」という仕組みが明確でないことが多い。昇格・昇給のタイミングや基準は会社の判断に委ねられており、自分でコントロールできる部分が少ない。

スキルを積むことは重要ですが、「それが社内の報酬に反映される」と「それが市場で評価される」は別の話です。後者の方が、会社への依存度を下げるという観点では本質的だと、今は考えています。

「安定」は会社が存続し、自分が評価され続けることが前提

SIerの安定感は、会社が存続し、案件が継続し、自分が評価され続けることで成り立っています。これらはすべて「自分ではコントロールできない外部要因」に依存しています。

「うちの会社は大丈夫」と思っていても、業界全体のトレンド変化、顧客企業の内製化、競合との競争激化……予測できない変化は常にある。それを「まあ大丈夫だろう」という楽観だけで乗り越えようとするのは、リスク管理としてどうなのか、という疑問が拭えなくなりました。

「収入を守る」とはどういうことか

不安を感じたとき、最初に浮かんだ解決策は「もっと稼ぐ」でした。でもすぐに、それだけでは根本的な解決にならないと気づきました。

「会社員の収入だけに頼っている」状態の問題は、収入の「量」だけでなく、収入の「源泉が1つしかない」ことにあります。どんなに収入が多くても、その源泉が1つだけなら、それが止まったとき全てが止まる。これは「卵を1つのカゴに全部入れている」構造と同じです。

だから「収入を守る」とは、単に「収入を増やす」ことではなく、以下の2つを同時に考えることだと整理するようになりました。

  • 収入の源泉を少しずつ分散させる(会社給与以外の収入や資産を作る)
  • 収入が止まっても一定期間は生活できる資産基盤を作る

「今すぐ会社を辞める」という話ではありません。そんな準備はまだできていない。でも「会社収入だけに100%依存している状態から、少しずつ依存度を下げていく」という方向性を持つことが、今の自分にできる現実的なアプローチだと思っています。

会社への依存度を下げるための3つの考え方

「依存度を下げる」という方向性が決まってから、具体的に何に取り組むかを考えました。私が現在意識しているのは、以下の3つの軸です。

①資産を積み上げる(投資)

1つ目は資産の積み上げです。会社収入が止まったときや大幅に減ったときに、生活を維持できる資産基盤を作ること。これは一朝一夕にできることではなく、長期間の積立によって少しずつ形成されていくものです。

私が取り組んでいるのは、新NISAのつみたて投資枠を使ったインデックスファンドへの積立です。毎月の積立金額は家計から逆算して設定し、自動引き落としで動く仕組みにしています。

この資産が「会社を辞められるレベル」になるまでには、相当な時間がかかります。でも「何もしていない」と「少しずつ積み上げている」では、10年後の状況が大きく変わる。早く始めるほど時間を味方につけられる、というのが長期投資の基本的な考え方です。あくまで個人の実践記録であり、投資に関しては自分の状況に合わせて判断することをすすめます。

②会社以外の収入源を作る(副業・ブログ)

2つ目は、会社給与以外の収入の糸口を作ることです。最終的には会社収入に頼らなくても生活できる状態を目指したいが、今すぐそこに到達するのは無理です。だからまず「ゼロを少しでも超える」ことを目標にしています。

私が選んだのはブログ運営です。締め切りがなく、自分のペースで更新できる。書いた記事が資産として積み上がる。子育てや仕事と並行しながら続けられる点で、今の生活に合っていると感じています。

現時点では収益はほぼゼロです。ただ、「収益化への道筋が見えてきた」というより「まず仕組みを作り始めた」という段階です。ブログは記事が蓄積されてようやく評価される世界なので、焦らず続けることを優先しています。

③「この会社の外でも通用する」スキルを意識する

3つ目は、キャリア資本の考え方です。「会社の外でも価値があるスキルや経験」を意識的に積んでいくことで、転職・独立などの選択肢を将来的に持てるようにする。

SIerとして働く中で、「この会社でしか通用しないスキル」ではなく、「他社・他業界でも評価されるスキル」を意識するようになりました。プロジェクトマネジメントの経験、システム設計の知識、ドキュメント作成能力……これらは、会社の外でも価値を持ちやすいスキルです。

日々の仕事の中で「これは自分の市場価値につながるか」という視点を持つだけでも、取り組み方が少し変わります。キャリアの選択肢を広げることは、会社への依存度を下げることに直結すると考えています。

現時点で私が取り組んでいること

3つの軸を整理したところで、今の自分が実際に何をやっているかを書いておきます。「うまくいっている話」ではなく、「現在進行形で試している」という記録として読んでもらえると嬉しいです。

投資:新NISAの積立を継続中

新NISAのつみたて投資枠で、全世界株式のインデックスファンドに毎月積立をしています。金額は家計から逆算して「続けられる範囲」で設定し、自動引き落としで動かしています。相場が下がる月もあるし、生活が忙しくて確認できない月もある。それでも「仕組みが動いている」という状態を維持することを優先しています。

副業:ブログ運営を継続中

このブログがその実践です。平日の隙間時間と、子供が寝た後の30分程度を使って書いています。アクセスも収益もまだほぼゼロですが、「記事が増えている」「書く力がついてきた」という手応えはあります。ブログは長期的に育てるものだと理解した上で続けています。

キャリア:「自分のスキルの棚卸し」をした

副業やキャリアを考える中で、「自分が今持っているスキルや経験を整理する」という作業をしました。転職活動を始めたわけではありませんが、「今の自分は会社の外でどう説明できるか」を考えておくことは、判断基準を持つ上で役立っていると感じています。

結果として「まだ足りない部分がある」と感じる部分も多かった。でも「何が足りないか分かった」という状態は、「漠然と不安だけがある」状態より、ずっと前進している気がしています。

今の目標:「選択肢を持てる状態」を作ること

私の今の目標は「すぐに会社を辞める」ことではありません。それは今の段階では現実的ではないし、焦って動くことの方がリスクだと思っています。

今目指しているのは、「今の会社に依存しなければならない度合いを、少しずつ下げていくこと」です。資産が積み上がれば、いざというときの選択肢が増える。副業収入が少しでも生まれれば、会社収入への依存度が少し下がる。市場価値があるスキルが身につけば、転職や独立の選択肢が現実味を帯びてくる。

その積み重ねが、10年後に「あのとき動いておいてよかった」につながると考えています。今はまだその途中です。

まとめ:不安を「行動のきっかけ」に変える

この記事では、会社員の収入だけに頼ることへの不安と、そこから考えた「お金の守り方」についてまとめました。

要点を整理すると、以下の通りです。

  • 不安の正体は「収入の源泉が1つしかない」という構造的なリスク
  • SIerという職種は安定しているように見えても、コントロールできない変数が多い
  • 「収入を守る」とは増やすことだけでなく、源泉を分散させることでもある
  • 資産の積み上げ・副業収入・市場価値のあるスキルという3軸で依存度を下げる
  • 目標は「すぐに会社を辞める」ではなく「選択肢を持てる状態にしていく」こと

「今日から取れる小さな一歩」として、まず自分の収入と支出の現状を紙に書き出してみることをすすめます。「今の収入が止まったとき、何ヶ月生活できるか」「自分の市場価値はどこにあるか」——この2つの問いに向き合うだけで、次に何をすべきかが少し見えてきます。

不安は「何も分からない状態」のときが一番大きい。現状を把握して、一歩ずつ動き始めれば、不安は少しずつ「やるべきことのリスト」に変わっていきます。私自身もまだその過程にいますが、動き始めたことで視界が変わったのは確かです。

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