企業型DCのマッチング拠出が2026年4月から使いやすく|何が変わった?iDeCoとどちらを使うかの考え方

企業型DCのマッチング拠出が2026年4月から使いやすく お金・生活

2026年10月16日:改正前後の具体例、年末調整での扱いの違い、勤務先の制度の確認手順を追加しました。

勤務先に企業型確定拠出年金(企業型DC)がある会社員にとって、2026年は制度が大きく変わる年です。

  • 2026年4月:企業型DCのマッチング拠出で、会社の掛金の額による制限がなくなった
  • 2026年12月(予定):iDeCoの上限が、企業年金と合わせて月6.2万円に

「マッチング拠出とiDeCo、どっちを使えばいいの?」と迷う人も多いと思います。この記事では、厚生労働省の情報をもとに、変更点と、どちらを使うか考えるためのポイントを整理します。

※内容は2026年10月時点の厚生労働省「2025年の制度改正」などをもとにしています。マッチング拠出があるか、いくらまで出せるかは、勤務先の制度(規約)によって違います。必ず勤務先の案内を確認してください。

この記事の結論

  • マッチング拠出は、企業型DCで会社の掛金に自分の掛金を上乗せする仕組み
  • 2026年4月から、自分の掛金が会社の掛金を超えてはいけないという制限がなくなった
  • 2026年12月(予定)から、iDeCoも企業年金と合わせて月6.2万円まで掛けられるように
  • どちらを使うかは、商品の選択肢・手数料・手続きの手間で比べる。勤務先の規約の確認が最初の一歩

マッチング拠出とは

マッチング拠出は、企業型DCで、会社が出す掛金(事業主掛金)に、自分の給与から掛金を上乗せして出す仕組みです。自分で出した掛金は、iDeCoと同じように全額が所得控除になります。

ただし、マッチング拠出ができるかどうかは、勤務先の企業型DCの規約で決まっています。制度がない会社もあります。

2026年4月に何が変わった?

これまでは、マッチング拠出で自分が出せる掛金は、会社の掛金の額までという制限がありました。会社の掛金が少ない人は、マッチング拠出でもあまり上乗せできませんでした。

厚生労働省の資料では、2026年4月1日からこの制限がなくなり、「事業主掛金の額によらずに、加入者がそれぞれの状況に応じ拠出限度額の枠を十分に活用」できるようになったと説明されています。

項目 改正前 改正後(2026年4月〜)
自分の掛金の上限 会社の掛金の額まで、かつ合計が拠出限度額まで 合計が拠出限度額まで(会社の掛金の額による制限なし)

2026年12月からのiDeCoとの関係

2026年12月1日(予定)からは、iDeCoの上限も変わります。会社員は、企業年金等と合計して月6.2万円までiDeCoを掛けられるようになります。

これまで、企業型DCでマッチング拠出をしている人はiDeCoに加入できない、などの制約がありました。2026年12月以降の加入条件や、マッチング拠出とiDeCoの併用の扱いは、勤務先の制度とiDeCo公式サイトの案内で確認してください。

iDeCoの改正の詳しい内容は、iDeCoの掛金上限が2026年12月から月6.2万円ににまとめています。

具体例:会社の掛金が少ない人ほど、改正の影響が大きい

改正前は「自分の掛金は会社の掛金の額まで」だったので、会社の掛金が少ない人ほど、上乗せできる額も小さくなっていました。

例 改正前(〜2026年3月) 改正後(2026年4月〜)
会社の掛金が月5,000円 自分の掛金は月5,000円まで 会社と自分の合計が拠出限度額に収まる範囲で、5,000円を超えて上乗せできる
会社の掛金が月2万円 自分の掛金は月2万円まで 同上(合計が拠出限度額まで)

※拠出限度額は、ほかの企業年金(確定給付企業年金など)があるかどうかで変わります。自分の上限額は、勤務先の企業型DCの加入者向けサイトや案内で確認してください。

なお、改正後も、会社の規約でマッチング拠出の掛金の選び方(選べる金額の刻みなど)が決まっていることがあります。「上限が広がった=いくらでも自由に決められる」ではない点に注意しましょう。

マッチング拠出とiDeCo、どう比べる?

比べる項目 マッチング拠出 iDeCo
申し込み先 勤務先(企業型DCの制度の中で) 自分で金融機関を選んで申し込む
掛金の払い方 給与から天引き 口座引き落とし(または給与天引き)
選べる商品 勤務先の企業型DCで用意された商品 金融機関ごとに選べる(金融機関を選べる)
手数料 会社が負担していることが多い(規約による) 自分で負担(金融機関による)
節税 自分の掛金は全額所得控除 掛金は全額所得控除
引き出せる時期 原則60歳まで引き出せない 原則60歳まで引き出せない
転職したとき 転職先の制度に合わせて資産を移す手続きが必要 そのまま続けやすい(届け出は必要)

一般的には、手数料を会社が負担していて、商品のラインナップに満足できるならマッチング拠出、選びたい商品があったり、転職が多かったりするならiDeCo、という考え方がよく紹介されます。ただし、どちらが良いかは、勤務先の制度と自分の状況しだいです。

確認したいこと(チェックリスト)

  • [ ] 勤務先の企業型DCに、マッチング拠出の制度があるか
  • [ ] 会社の掛金(事業主掛金)は毎月いくらか
  • [ ] 企業型DCの商品のラインナップと手数料
  • [ ] 2026年12月以降、自分がiDeCoに加入できるか、上限はいくらか
  • [ ] 60歳まで引き出せなくても、生活や教育費に困らないか
  • [ ] NISAとのバランス(いつでも引き出せるお金を確保できているか)

iDeCoとNISAの優先順位の考え方は、iDeCoとNISAどっちが先?にまとめています。

自分の掛金による節税の目安

マッチング拠出もiDeCoも、自分で出した掛金は全額が所得控除になります。

自分の掛金 所得税率10%の人の節税額の目安(住民税10%を含む)
月5,000円(年6万円) 約1.2万円
月1万円(年12万円) 約2.4万円
月2万円(年24万円) 約4.8万円

※復興特別所得税などは含まない概算です。

節税の効果は同じでも、商品・手数料・手続きの手間に違いがあるので、表の項目と合わせて比べてみてください。

年末調整での扱いの違い

節税の効果は同じでも、年末調整での手間は少し違います。

掛金の払い方 年末調整での扱い
マッチング拠出(給与から天引き) 勤務先が給与計算の中で控除するため、自分で証明書を出す必要は基本的にない
iDeCo(給与から天引き) 同上(勤務先が控除する)
iDeCo(自分の口座から引き落とし) 国民年金基金連合会から届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」を、年末調整の書類と一緒に出す

iDeCoを口座引き落としで払っている人は、10〜11月ごろに届く証明書をなくさないようにしましょう。出し忘れた場合は、確定申告で控除を受けられます。

勤務先の制度を確認する手順

  1. 企業型DCの加入者向けサイトにログインする:会社の掛金の額、自分の資産、選べる商品が確認できる
  2. 規約や制度の案内を見る:マッチング拠出があるか、掛金の選び方、変更できる時期を確認する
  3. 分からないことは人事・総務に聞く:「マッチング拠出の制度はありますか」「2026年4月の改正で何か変わりましたか」と聞けば十分
  4. iDeCoと比べる:2026年12月以降にiDeCoに加入できるか、iDeCo公式サイトで確認する

加入者向けサイトのログイン情報が分からない場合も、まずは人事・総務の担当部署に確認しましょう。

よくある質問

マッチング拠出は、いつでも金額を変えられますか?

変更できる時期や回数は、勤務先の企業型DCの規約で決まっています。人事や総務の担当部署、または企業型DCの運営管理機関の案内を確認してください。

マッチング拠出をすると、会社の掛金は減りますか?

会社の掛金は、規約で決まっています。マッチング拠出をしても、会社の掛金が減るわけではありません。

企業型DCの商品は、どう選べばいいですか?

手数料(信託報酬)の低いインデックスファンドがあるかを確認する人が多いです。60歳まで引き出せないお金なので、長期で持ちやすい商品かどうかで考えましょう。

マッチング拠出とiDeCoを両方使うことはできますか?

2026年10月時点のiDeCo公式サイトでは、マッチング拠出をしている人はiDeCoに加入できないと案内されています。2026年12月の改正後の扱いは、iDeCo公式サイトや勤務先の案内で確認してください。

関連:iDeCoとNISAどっちが先?

まとめ

  • マッチング拠出は、企業型DCで会社の掛金に自分の掛金を上乗せする仕組み
  • 2026年4月から、会社の掛金の額による制限がなくなった
  • 2026年12月(予定)から、iDeCoも企業年金と合わせて月6.2万円まで
  • どちらを使うかは、商品・手数料・手続きの手間・転職の予定で比べる。まず勤務先の規約を確認する

出典:厚生労働省「2025年の制度改正」(2026年10月確認)

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