「新NISAはS&P500の1本だけでいいの?」「全世界株式と組み合わせた方がいいの?」。商品選びで迷って、なかなか始められない人も多いと思います。
私は30代の会社員で、新NISAでS&P500に連動するインデックスファンド(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500))の1本だけに、毎月15万円を積み立てています。旧制度のつみたてNISAの頃から、積み立てを続けて約5年になります。
先に結論を書くと、1本に絞ることには「迷わずに続けられる」という大きなメリットがあります。一方で、米国に集中することや、為替の影響を受けることなど、知っておきたいリスクもあります。この記事では、その両方を整理します。
この記事の結論
- 1本に絞るメリット:商品選びで迷わない。管理が楽。長く続けやすい
- S&P500のリスク:米国の株式に集中している。円高になると、円での評価額が下がる
- 全世界株式との違い:全世界株式は米国以外の国にも分散する
- 大事なこと:どれが正解かより、決めた商品で長く続けること。リスクは理解したうえで選ぶ
S&P500とは
S&P500は、米国の代表的な企業約500社の株価をもとにした株価指数です。S&P500に連動するインデックスファンドを買うと、これらの企業にまとめて投資するのと近い効果があります。
私が積み立てている「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、三菱UFJアセットマネジメントが運用する、S&P500に連動することを目指す投資信託です。保有している間にかかる手数料(信託報酬)は低い水準に抑えられていて、純資産総額は約13兆円です(2026年10月5日時点、運用会社の公式サイトより)。
1本に絞るメリット
1. 商品選びで迷わない
「全世界株式と米国株式、どっちがいいか」「もっと良い商品があるかも」と考え始めると、終わりがありません。1本に絞って「変えない」と決めると、商品選びで迷う時間がなくなります。
2. 管理が楽
商品が多いと、それぞれの金額や割合を確認したり、バランスを調整したりする手間がかかります。1本なら、確認することがほとんどありません。私も「値動きを見るのは月1回まで」と決めています(つい見てしまう日もありますが、1本だけなので、見ても確認することはほとんどありません)。
3. 長く続けやすい
長期の積立では、「続けること」が一番大事だと考えています。管理が楽で迷いが少ない方が、結果的に長く続けやすくなります。
知っておきたいリスク
1. 米国の株式に集中している
S&P500は米国の企業だけで構成されています。米国の景気が悪くなったり、米国の株式市場が長く低迷したりすると、大きく影響を受けます。
2. 為替の影響を受ける
米国の株式に投資する投資信託は、為替(円とドルの関係)の影響を受けます。円高になると、ドルで見た価値が同じでも、円での評価額は下がります。
3. 株式100%なので、値動きが大きい
S&P500の1本だけだと、資産のすべてが株式になります。リーマン・ショック(2008年)の時には、S&P500は高値から半分近くまで下がりました。
| 積み立てた金額 | 半分に下がった場合 |
|---|---|
| 300万円 | 150万円 |
| 1,000万円 | 500万円 |
| 1,800万円(新NISAの生涯枠いっぱい) | 900万円 |
この下がり方を見ても、売らずに積立を続けられるかを、始める前に考えておくことが大切です。不安なら、現金や債券など値動きの小さい資産を、投資信託とは別に持っておく方法もあります。
4. 元本は保証されていない
投資信託は、値下がりして、投資したお金より減ることもあります。過去に上がってきたからといって、将来も上がるとは限りません。
全世界株式との違い
| 項目 | S&P500 | 全世界株式(オール・カントリーなど) |
|---|---|---|
| 投資先 | 米国の代表的な企業 | 米国を含む世界中の企業 |
| 分散の広さ | 米国に集中 | 国・地域を広く分散 |
| 米国の割合 | 100% | 大きいが、ほかの国も含む |
| 向いている考え方 | 米国の成長に期待する | 特定の国に賭けず、世界全体に分散したい |
どちらが正解というものではありません。全世界株式にも、米国の企業は大きな割合で含まれています。迷ったら、「米国に集中してもいいか」「世界に分散したいか」で選ぶのが分かりやすいと思います。
S&P500の1本で始める前のチェックリスト
- □ 10年以上、使わずに置いておけるお金で積み立てる
- □ 資産が一時的に半分くらいになっても、売らずに続けられそう
- □ 米国に集中することを理解している(世界に分散したいなら全世界株式も考える)
- □ 生活防衛資金(生活費の数か月分)を、投資とは別に確保している
- □ 教育費など、使う時期が決まっているお金の分け方を考えている
- □ 年に1回くらい、家計や目的に合っているかを見直せる
当てはまらない項目が多い場合は、1本に絞る前に、積立額や商品をもう一度考えてみてください。
1本に絞る時に決めておきたいこと
- 生活防衛資金を先に確保する:私は生活費の3か月分くらいを、投資とは別に置いています
- 積立額は、家計から無理のない金額にする:私も最初は少額から始めて、少しずつ増やしてきました
- 値動きを見すぎない:値下がりした時に慌てて売らないためにも、確認する回数を決めておきます
- 途中で商品を変えたくなったら、理由を書き出す:「最近の値動きが悪いから」だけで変えると、迷いが増えるだけになりがちです
新NISAを始める前に決めたルールは、新NISAを始める前に決めた3つのルールに詳しくまとめています。
積み立てを続けると、どれくらいになる?(計算の例)
毎月同じ額を積み立てて、一定の利回りで増えたと仮定した場合の計算の例です。
| 毎月の積立額 | 期間 | 元本 | 年3%で増えた場合 | 年5%で増えた場合 |
|---|---|---|---|---|
| 1万円 | 10年 | 120万円 | 約140万円 | 約155万円 |
| 1万円 | 20年 | 240万円 | 約328万円 | 約411万円 |
| 3万円 | 10年 | 360万円 | 約419万円 | 約466万円 |
| 3万円 | 20年 | 720万円 | 約985万円 | 約1,233万円 |
| 15万円 | 10年 | 1,800万円 | 約2,096万円 | 約2,329万円 |
※あくまで一定の利回りが続いたと仮定した計算です。実際の値動きは毎年違い、元本を下回ることもあります。将来の成果を約束するものではありません。
期間が長いほど、増えた分がさらに増える「複利」の効果が大きくなります。長期の積立で「続けること」が大事なのは、このためです。
新NISAの枠は、1年で360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、生涯で1,800万円までです。私のように毎月15万円(年180万円)を積み立てると、10年で生涯枠の1,800万円を使い切る計算になります。
私の実際の数字(2026年10月)
計算の例だけでは実感がわかないと思うので、私の実際の数字も載せておきます。
| 項目 | 2026年10月22日時点 |
|---|---|
| 楽天証券の資産の合計 | 約554万円 |
| 前の月からの変化 | 4.08%増 |
| 毎月の積立 | 15万円(つみたて投資枠10万円+成長投資枠5万円) |
| 商品 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の1本 |
積み立てを始めた頃は少額で、旧制度のつみたてNISAの頃から約5年続けてきた結果です。1か月で数%動くことは珍しくなく、下がる月もあります。この記事では、今後も月に1回くらいのペースで数字を足していく予定です。
※私個人の実績で、将来の成果を約束するものではありません。
年代やライフステージで、見直すタイミング
1本で積み立てていても、ずっと同じでいいとは限りません。
| タイミング | 見直すこと |
|---|---|
| 子どもの教育費が近づいてきた | いつ・いくら取り崩すかを決める。使う数年前から、一部を現金にしておくことも考える |
| 生涯枠(1,800万円)を使い切った | 積立をやめるのではなく、NISAの外(特定口座)で続けるか、ほかの目的に回すかを決める |
| 50代以降、使う時期が近づいた | 株式100%のままでいいか、値動きの小さい資産を増やすかを考える |
| 収入や家計が大きく変わった | 積立額が無理のない範囲かを確認する |
私は、教育費も新NISAで準備するお金の一部として考えています。
S&P500のファンドを選ぶ時に見るポイント
S&P500に連動するファンドは、いくつもの運用会社から出ています。選ぶ時は、次の点を見るのが一般的です。
| 見るポイント | 内容 |
|---|---|
| 信託報酬 | 保有している間ずっとかかる手数料。低い方が有利 |
| 純資産総額 | ファンドの規模。大きいほど、安定して運用されやすいと言われる |
| 連動の精度 | 指数(S&P500)とずれずに動いているか |
| 自分の証券会社で買えるか | クレカ積立などの対象になっているかも確認 |
S&P500と全世界株式、どちらにするかの考え方
- 国や地域の分散をどこまで重視するか:米国に集中してもいいならS&P500、世界に分散したいなら全世界株式
- 管理の手間をどこまで減らしたいか:迷うなら、どちらか1本に絞る
- 一度決めたら変えないと決められるか:値動きを見て乗り換えたくなるなら、最初に「変えない」と決めておく
値下がりした時の考え方
長期の積立をしていると、大きく値下がりする時期は必ず来ます。その時に慌てて売ってしまうと、損が確定してしまいます。
- 生活防衛資金を先に確保しておく:生活費のために売らなくて済む
- 値動きを見る回数を減らす:私は月1回までと決めています(守れない日もあります)
- 積立はそのまま続ける:値下がりしている時は、同じ金額でより多く買えている
よくある質問
S&P500の1本だけだと、分散が足りませんか?
S&P500は約500社に分散していますが、国としては米国に集中しています。国や地域も分散したいなら、全世界株式を選ぶ、または組み合わせるという考え方もあります。どこまで分散したいかで判断してください。
S&P500と全世界株式、両方に積み立ててもいいですか?
問題ありません。ただし、全世界株式にも米国の企業が多く含まれているので、両方買っても、思ったほど分散は広がらないことがあります。管理の手間も増えるので、迷うなら1本に絞るのも1つの方法です。
値下がりした時はどうすればいいですか?
長期の積立では、値下がりした時も積立を続けることで、安い時に多く買うことになります。生活防衛資金を確保しておけば、値下がりした時に慌てて売らずに済みます。
まとめ
- 1本に絞ると、商品選びで迷わず、管理が楽で、長く続けやすい
- S&P500は米国に集中しており、為替の影響も受ける。元本保証ではない
- 全世界株式との違いは、国・地域の分散の広さ
- どれが正解かより、リスクを理解したうえで、決めた商品で長く続けることが大切
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※この記事は特定の金融商品の購入をすすめるものではありません。投資は、ご自身の判断と責任で行ってください。

