Googleは2026年9月30日、Geminiで指示を保存しておける「Gem」を、新しい「スキル」に置き換えると発表しました。個人のGoogleアカウントでは、Gemは2026年11月に終了します。作ってあったGemは、自動でスキルに移行されます。
この記事では、Googleの公式ヘルプとブログをもとに、スキルとは何か、Gemと何が違うのか、移行で気をつけることを整理します。
※内容は2026年10月時点のGoogleの公式ヘルプ(「Gem からスキルへの移行について」)、Geminiのリリースノート、Googleのブログをもとにしています。提供は段階的に進んでいて、機能や時期は変わることがあります。
この記事の結論
- スキルは、よく使う指示を保存しておき、何度でも呼び出せる機能。Gemの後継
- 個人アカウントのGemは2026年11月に終了。会社のアカウントは2027年3月、教育機関は2027年6月
- Gemは終了時に自動でスキルに移行される。待たずに手動で移すこともできる
- 呼び出しは入力欄で「/」+スキル名。関係がある質問では自動で使われる。複数のスキルを組み合わせられる
- Canvas、Deep Research、ガイド付き学習、動画・音楽の作成などは、スキルではまだ使えない
スキルとは
スキルは、「この作業のときは、こう答えてほしい」という指示をまとめて保存しておく機能です。保存しておけば、毎回同じ説明を書かなくても、同じやり方で作業してもらえます。
Googleのブログでは、よく使う指示を一度保存すれば何度でも使えるので、繰り返しの指示を省いて、すぐに結果を得られる、と紹介されています。
Gemとの違い
| 項目 | Gem | スキル |
|---|---|---|
| 位置づけ | 指示を保存した「専用のチャット相手」 | 普段の会話の中で使う「指示の部品」 |
| 使い方 | Gemを選んで、そのGemと会話する | 入力欄で「/」から呼び出す。関係があれば自動で使われる |
| 組み合わせ | 1つのGemで会話する | 複数のスキルを重ねて使える |
| 作り方 | Gemの作成画面で指示を書く | 指示を書いて作るほか、会話の流れから作ることもできる |
一番大きな違いは、「Gemを開いてから会話する」のではなく、普段の会話の中で、必要なスキルを呼び出したり、自動で使ってもらったりできることです。
終了の時期
| アカウントの種類 | Gemの終了時期 |
|---|---|
| 個人のGoogleアカウント | 2026年11月 |
| Google Workspace(ビジネス・エンタープライズ・非営利団体) | 2027年3月 |
| Google Workspace(教育機関) | 2027年6月 |
個人アカウントでGemを使っている人は、あと1か月ほどで切り替わります。
自動移行で何が起きる?
公式ヘルプでは、Gemの提供が終わるときに、Gemは自動的にスキルに移行されると案内されています。何もしなくても、作ったGemの指示はスキルとして残ります。
ただし、次の点は確認しておきましょう。
- Gemに追加していたファイル:ファイルは個別にダウンロードし、スキルに追加し直す必要がある、と案内されています(スキルには複数のファイルをまとめて追加できます)
- スキルでまだ使えない機能:Gemで次の機能を使っていた場合、スキルでは同じように動かないことがあります
| スキルでまだ使えない機能(2026年10月時点の公式ヘルプ) |
|---|
| Canvas |
| Deep Research |
| ガイド付き学習 |
| 動画・音楽の作成 |
| GitHubのファイル |
- 共有やGoogleドライブのファイルの追加:数週間のうちに使えるようになる予定とされています
スキルの使い方
1. 「/」で呼び出す
入力欄で「/」を入力し、続けてスキル名を入力すると、保存したスキルを呼び出せます(公式ヘルプでは、「/」は近いうちに「@」に変わる予定とされています)。
2. 自動で使われる
質問の内容がスキルと関係していると、Geminiが自動でそのスキルを使います。呼び出し忘れても、関係のあるスキルが使われる仕組みです。
3. 組み合わせて使う
複数のスキルを重ねて使えます。例えば、「文章を短く整えるスキル」と「表にまとめるスキル」を一緒に使う、といった形です。
使える人
公式ヘルプでは、個人のGoogleアカウントにログインしている18歳以上のユーザーが対象とされています。
会社員の個人利用で作っておくと便利なスキルの例
| スキルの例 | 指示の中身 |
|---|---|
| 結論から答える | 「最初に結論を1〜2文で。次に理由を3つまで。専門用語には短い説明をつける」 |
| 表で比べる | 「比べるものは表にする。項目は料金・手間・向いている人」 |
| 公式情報を優先 | 「制度や料金は公式サイトの情報を優先し、確認した時点を書く。分からないことは分からないと書く」 |
| 家計の前提 | 「生活防衛資金を先に確保する前提で考える」など、自分の考え方の前提 |
スキルは一度作っておくと、使うたびに効いてきます。毎回同じ説明をしている指示があれば、それがスキルにする候補です。
スキルを作るときの書き方のコツ
スキルの指示は、短くても「形」と「前提」がはっきりしていると効きます。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| 役割を書く | 「家計の相談相手として答える」 |
| 答えの形を書く | 「結論→理由3つ→次にやること、の順で」 |
| やってほしくないことを書く | 「商品名を勧めない」「断定しない」 |
| 確認の仕方を書く | 「数字や制度は、公式サイトで確認すべき点として最後に挙げる」 |
最初から完璧なスキルを作ろうとせず、使いながら「毎回付け足している指示」を足していくと、自分に合ったスキルに育っていきます。
移行前にやっておくこと(チェックリスト)
- [ ] 今使っているGemの一覧と、それぞれの指示の中身をメモしておく
- [ ] Gemに追加しているファイルがあれば、元のファイルを手元に残しておく
- [ ] 使っていないGemは、移行前に整理(削除)しておく
- [ ] 移行後、よく使うスキルを1つ呼び出して、同じように動くか確認する
気をつけたいこと
仕事の情報は入れない
便利だからといって、会社の資料や、お客さんの情報をスキルの指示やファイルに入れるのはやめましょう。個人のアカウントには、仕事の情報を入れないのが基本です。仕事で使う場合は、会社が認めたアカウントと方法を使いましょう。
会社のアカウントは別に準備が必要
Google Workspaceのアカウントでは、Gemの終了時期が2027年3月と遅く、管理者の設定や、Workspaceのほかのサービスとの連携の扱いも別に案内されています。会社のアカウントで使っている人は、社内の案内に従ってください。
ほかのAIの「保存できる指示」との比較
| サービス | 指示を保存する機能 |
|---|---|
| Gemini | スキル(Gemの後継) |
| ChatGPT | カスタム指示、GPT、プロジェクト |
| Claude | プロジェクト、メモリ(会話から覚える) |
Claudeのメモリ機能については、Claudeのメモリ機能とは?にまとめています。
よくある質問
Gemを消さないといけませんか?
消す必要はありません。終了時に自動でスキルに移行されます。
スキルは無料で使えますか?
2026年10月時点の日本の料金ページでは、無料プランにもGemが含まれていて、スキルはその後継として案内されています。プランによる違いは、今後の公式の案内を確認してください。
移行のあと、Gemの会話の履歴はどうなりますか?
公式ヘルプでは、Gemの指示がスキルに移行されることが案内されています。過去の会話の扱いは、Geminiの案内を確認してください。
まとめ
- スキルは、よく使う指示を保存して何度でも使える、Gemの後継の機能
- 個人アカウントのGemは2026年11月に終了し、自動でスキルに移行される
- 「/」で呼び出す、関係があれば自動で使われる、複数を組み合わせられる
- Canvas、Deep Researchなどはスキルではまだ使えない。ファイルは追加し直しが必要
ChatGPTの新しいモデルについては、ChatGPTのGPT-6と「Intelligent UI」とは?にまとめています。
出典:Google「Gem からスキルへの移行について」、Google「Let skills in Gemini tackle your most repetitive tasks」、「Gemini Apps’ release updates」、「Gemini のプラン」(2026年10月確認)

