住宅ローンの借り換えはいつ得する?よく言われる目安と諸費用の試算、住宅ローン控除中に確認したいこと

住宅ローンの借り換えはいつ得する?よく言われる目安と諸費用の試算、住宅ローン控除中に確認したいこと お金・生活

金利の動きがニュースになるたびに、「住宅ローン、借り換えた方がいいのかな」と気になる人も多いと思います。

私は30代の会社員で、住宅ローンを返している最中です。今は住宅ローン控除の期間中で、繰上返済はせずに、投資を優先しています(理由は住宅ローン控除中は繰上返済しない方がいい?にまとめています)。

この記事では、借り換えで得をするかどうかの目安、諸費用を含めた試算のしかた、住宅ローン控除を受けている人が気をつけたいことを整理します。

※税金の内容は、国税庁のタックスアンサー「No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき」(令和8年4月1日現在法令等)をもとにしています。金利や諸費用は金融機関によって違うので、実際の判断は各金融機関のシミュレーションや見積もりで確認してください。

この記事の結論

  • よく言われる目安は「金利差1%以上・ローン残高1,000万円以上・残りの返済期間10年以上」。ただし、あくまで目安
  • 大切なのは、減る利息が、諸費用(数十万円〜)を上回るか。必ず諸費用を含めて試算する
  • 住宅ローン控除は、一定の要件を満たせば借り換え後も続けられる。ただし控除の期間は延びない
  • 借り換えで新しく借りた額が、借り換え前の残高より多い場合は、控除の対象になる残高が按分される

借り換えで得をする「よく言われる目安」

住宅ローンの借り換えでは、次の3つの条件がそろうと効果が出やすい、とよく言われます。

目安 理由
今の金利と借り換え後の金利の差が1%以上 金利差が大きいほど、減る利息が大きい
ローンの残高が1,000万円以上 残高が大きいほど、金利差の効果が大きい
残りの返済期間が10年以上 期間が長いほど、利息が減る効果が積み重なる

ただし、これは昔から使われている目安です。最近は、金利差が1%より小さくても、残高や期間によっては得をすることもありますし、逆に条件を満たしていても、諸費用が大きくて得にならないこともあります。目安に当てはまるかより、実際に試算することが大切です。

借り換えにかかる諸費用

借り換えには、新しくローンを組むのと同じように、さまざまな費用がかかります。

費用 内容 目安
事務手数料 新しく借りる金融機関に払う 「借入額の2.2%」の定率型や、数万円の定額型など
保証料 保証会社に払う(ない金融機関もある) 金融機関による
登記費用 今の抵当権を消し、新しい抵当権を設定する。司法書士への報酬も 数万円〜十数万円ほど
印紙税 新しい契約書に貼る印紙 借入額による
今のローンの繰上返済手数料 今の金融機関に払う(無料のところもある) 金融機関による

事務手数料が借入額の2.2%の場合、3,000万円を借り換えると、それだけで66万円になります。諸費用の合計が数十万円から100万円近くになることもあるので、減る利息と必ず比べる必要があります。

試算してみる(例)

条件を決めて、簡単に試算してみます。

前提(例):残高3,000万円、残りの返済期間25年、元利均等返済。諸費用は約80万円(事務手数料66万円+登記費用などを約14万円と仮定)。

ケース 今の金利 → 借り換え後 毎月の返済額 毎月の差 25年間の返済額の差 諸費用を引いた効果
A 1.5% → 0.9% 約12.0万円 → 約11.2万円 約8,300円 約248万円 約168万円のプラス
B 1.2% → 0.9% 約11.6万円 → 約11.2万円 約4,100円 約123万円 約43万円のプラス
C 1.0% → 0.8% 約11.3万円 → 約11.0万円 約2,700円 約81万円 ほぼプラスマイナスゼロ

※金利は返済期間中ずっと変わらないと仮定した、単純な計算です。実際には、変動金利の見直しや、保証料・団体信用生命保険の条件の違いなどで結果が変わります。

ケースAは金利差が0.6%ですが、残高と期間が大きいので、諸費用を引いても効果が出ています。一方、ケースCは、毎月の返済額は少し減りますが、諸費用まで含めるとほとんど得になりません。

「毎月の返済額が減る」だけで判断せず、諸費用を引いたあとの効果で考えるのがポイントです。

住宅ローン控除を受けている人が確認したいこと

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けている人は、借り換えのときに次の点を確認しておきましょう。

1. 借り換え後も控除を受けられる要件

国税庁のタックスアンサー(No.1233)では、借り換えによる新しいローンは、原則として住宅ローン控除の対象にならないとしたうえで、次のすべての要件を満たせば、借り換え後も控除を続けて受けられると案内されています。

  • 新しいローンが、当初の住宅ローンを返すためのものであることが明らかであること
  • 新しいローンが、返済期間10年以上であることなど、住宅ローン控除の対象になる要件に当てはまること

2. 控除の期間は延びない

借り換えをしても、住宅ローン控除を受けられる年数は延びません。控除の期間は、住み始めた年から決まった期間のままです。

3. 控除の対象になる年末残高の計算

借り換えで新しく借りた額が、借り換え直前の残高より多い場合は、控除の対象になる年末残高が按分されます。

条件 控除の対象になる年末残高
借り換え直前の残高(A)≧ 新しく借りた額(B) 新しいローンの年末残高(C)をそのまま使う
借り換え直前の残高(A)< 新しく借りた額(B) C × A ÷ B

例えば、諸費用分まで上乗せして借りた場合は、上乗せした分は控除の対象になりません。

4. 手続きを忘れない

借り換えをした年は、年末調整や確定申告で、新しい金融機関の残高証明書などが必要になります。手続きの詳細は、国税庁のサイトや税務署で確認してください。

借り換えを考えるときの手順

  1. 今のローンの条件を確認する:残高、金利、金利のタイプ(変動・固定)、残りの期間
  2. 今の金融機関に、金利を下げてもらえないか相談する:借り換えなくても条件が変わることがある(金融機関によって対応は違う)
  3. 借り換え先の候補で、諸費用込みの試算をする:金融機関のシミュレーションや、複数の金融機関を比べられるサービスを使う
  4. 住宅ローン控除への影響を確認する:上の要件と年末残高の計算
  5. 審査に申し込む:借り換えにも審査がある。年齢、収入、健康状態(団体信用生命保険)などが見られる

借り換え以外の選択肢も比べる

住宅ローンの負担を減らす方法は、借り換えだけではありません。

方法 向いている人
借り換え 金利差が大きく、残高と期間が十分にある人
今の金融機関との条件変更 諸費用をかけずに、少しでも金利を下げたい人
繰上返済 手元の資金に余裕があり、利息を確実に減らしたい人
そのまま返し続ける 金利差が小さい人、住宅ローン控除の効果が大きい人

私の場合は、住宅ローン控除の期間中なので、繰上返済より投資を優先しています。住宅ローンと投資のバランスは、住宅ローンと子育てがある会社員はどう投資する?にまとめています。

よくある質問

変動金利から固定金利への借り換えは、得ですか?

固定金利は、変動金利より金利が高いことが多いので、毎月の返済額は増えることがあります。そのかわり、将来の金利上昇の影響を受けなくなります。「得か損か」より、「金利が上がったときに家計が耐えられるか」で考えるのがおすすめです。

借り換えは何歳までできますか?

金融機関ごとに、申し込める年齢と、完済するときの年齢の上限が決まっています。年齢が上がるほど、借りられる期間が短くなったり、審査が厳しくなったりすることがあります。

借り換えの審査に落ちることはありますか?

あります。新しくローンを組むのと同じように、収入や勤務先、健康状態、ほかの借り入れなどが審査されます。

まとめ

  • よく言われる目安は「金利差1%以上・残高1,000万円以上・残り10年以上」だが、必ず試算する
  • 事務手数料などの諸費用は数十万円以上かかることがある。減る利息と比べる
  • 住宅ローン控除は、要件を満たせば借り換え後も続くが、期間は延びない
  • 上乗せして借りた分は、控除の対象にならない

家計全体で無理のない形を考えたいときは、ファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの方法です。

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