2026年10月16日:書類が届いたら確認する順番、住宅ローン控除がある人の書類、精算額の確認方法を追加しました。
毎年秋になると、会社から年末調整の書類が配られます。2026年(令和8年分)の年末調整では、基礎控除の引上げなど、会社員に関係のある改正がいくつか反映されます。
私は30代の会社員です。会社員の多くは、税金の精算を会社の年末調整で行います。この記事では、国税庁の資料をもとに、令和8年分の年末調整で何が変わるのか、会社員が確認しておきたいことを整理します。
※内容は2026年10月時点の国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A」をもとにしています。個別の状況によって扱いが変わることがあるので、詳しくは国税庁の資料や勤務先の担当部署で確認してください。
この記事の結論
- 改正は2026年12月1日に施行され、令和8年分の所得税から適用。12月の年末調整でまとめて精算される
- 基礎控除が引き上げられた(例:合計所得金額132万円以下は95万円→104万円)
- 給与所得控除の最低保障額が65万円→74万円に
- 扶養親族などの所得要件が、合計所得金額58万円以下→62万円以下に(給与だけなら年収123万円以下→136万円以下)
- 23歳未満の扶養親族がいる人は、生命保険料控除(一般)の上限が4万円→6万円に(令和8・9年分)
いつから、どう反映される?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施行日 | 2026年12月1日 |
| 対象 | 令和8年分以後の所得税 |
| 毎月の給与(11月まで) | 変更なし(今までの源泉徴収税額表で計算) |
| 12月の年末調整 | 改正後の基礎控除などで1年分の税金を計算し直し、それまでに引かれた税金と精算 |
| 2027年1月以後の給与 | 改正後の源泉徴収税額表で計算 |
つまり、2026年分は、12月の年末調整でまとめて反映される形です。
1. 基礎控除の引上げ
基礎控除は、合計所得金額に応じて金額が決まります。国税庁の資料によると、令和8・9年分の基礎控除は次のように引き上げられました(主な区分)。
| 合計所得金額(給与だけの場合の年収の目安) | 改正前(令和8年分) | 改正後(令和8・9年分) |
|---|---|---|
| 132万円以下(約206万円以下) | 95万円 | 104万円 |
| 489万円超655万円以下(約665.6万円超850万円以下) | 63万円 | 67万円 |
| 655万円超2,350万円以下(約850万円超2,545万円以下) | 58万円 | 62万円 |
※132万円超489万円以下の区分も引き上げられています。区分ごとの正確な金額や、令和10年分以後の金額は、国税庁の資料で確認してください。合計所得金額2,350万円超の場合の基礎控除に改正はありません。
2. 給与所得控除の最低保障額の引上げ
給与所得控除の最低保障額が、65万円から74万円に引き上げられました。主に、年収が低めの人(パート・アルバイトなど)に関係する改正です。
3. 扶養親族などの所得要件の見直し
基礎控除の引上げにあわせて、扶養控除などの対象になる家族の所得要件も変わりました。
| 区分 | 改正前 | 改正後(令和8・9年分) |
|---|---|---|
| 扶養親族・同一生計配偶者 | 合計所得金額58万円以下(給与だけなら年収123万円以下) | 62万円以下(年収136万円以下) |
| 特定親族(19〜22歳の子など) | 58万円超123万円以下(年収123万円超188万円以下) | 62万円超123万円以下(年収136万円超197万円以下) |
| 配偶者特別控除の対象となる配偶者 | 58万円超133万円以下(年収123万円超201万5,999円以下) | 62万円超133万円以下(年収136万円超207万円以下) |
| 勤労学生 | 85万円以下(年収150万円以下) | 89万円以下(年収163万円以下) |
この改正で、新たに扶養控除などの対象になる家族がいる場合は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」などを会社に出す必要があります。
4. 23歳未満の扶養親族がいる人の生命保険料控除の特例
令和8・9年分では、23歳未満の扶養親族がいる人の「一般生命保険料控除」の計算が変わり、新生命保険料の場合の控除額の上限が4万円→6万円になりました。
| 年間の新生命保険料 | 控除額(特例) |
|---|---|
| 3万円以下 | 全額 |
| 3万円超6万円以下 | 保険料 × 1/2 + 1.5万円 |
| 6万円超12万円以下 | 保険料 × 1/4 + 3万円 |
| 12万円超 | 一律6万円 |
※一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の合計の上限は、これまでと同じ12万円です。
小さい子どもがいる家庭で、生命保険(一般)に入っている人は、年末調整の書類を書くときに確認しておきましょう。
会社員が年末調整で確認したいこと
- [ ] 会社から配られる書類(様式)が、令和8年分のものになっているか
- [ ] 家族の年収が、新しい所得要件に当てはまるか(新たに扶養に入れられる家族がいないか)
- [ ] 23歳未満の扶養親族がいて、生命保険料を払っているか
- [ ] 保険料控除証明書などの書類がそろっているか
- [ ] 12月(または1月)の給与明細で、年末調整の精算額を確認する
家族の年収と扶養の関係は、扶養の年収の壁は136万円に?で詳しくまとめています。
年末調整の一般的な流れ
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 10〜11月 | 会社から年末調整の書類(または電子申告の案内)が届く |
| 11月 | 扶養控除等申告書、基礎控除申告書、保険料控除申告書などを提出。保険料控除証明書なども添付 |
| 12月(または1月)の給与 | 1年分の税金を計算し直した結果、払いすぎた税金が戻る(または足りない分が引かれる) |
| 1月ごろ | 源泉徴収票を受け取る |
今年は基礎控除の引上げなどがあるため、12月の精算で戻ってくる税金が、例年より多くなる人もいると考えられます。給与明細で確認してみてください。
書類が届いたら確認する順番
年末調整の書類は種類が多いので、次の順番で確認すると迷いにくくなります。
| 順番 | 確認すること | 使うもの |
|---|---|---|
| 1 | 家族の状況(結婚・出産・子どもの進学・家族の年収)に変化がないか | 家族の給与明細、年収の見込み |
| 2 | 扶養に入れる家族の範囲が、新しい所得要件で変わらないか | 扶養控除等申告書 |
| 3 | 生命保険・地震保険などの控除証明書がそろっているか | 保険会社から届くはがき・電子データ |
| 4 | iDeCo(口座引き落としの人)の証明書があるか | 小規模企業共済等掛金払込証明書 |
| 5 | 住宅ローン控除の2年目以降なら、申告書と残高証明書があるか | 税務署から届く申告書、金融機関の年末残高証明書 |
住宅ローン控除がある人は、書類を2つそろえる
住宅ローン控除の2年目以降は、年末調整で控除を受けられます。必要なのは、税務署から届く「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と、金融機関から届く「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の2つです。
私も住宅ローン控除の期間中です。申告書は、税務署から複数年分がまとめて届くことが多いので、なくさないように保管しておくのがおすすめです。
精算額は、どこで確認する?
年末調整の結果は、12月(会社によっては1月)の給与明細で確認できます。
- 「年末調整還付」「年調還付」などの欄がプラスなら、払いすぎた税金が戻ってきた
- マイナス(徴収)なら、足りなかった税金が引かれた
今年は基礎控除の引上げなどがあるため、例年と比べて還付額が変わる人もいます。翌年1月ごろに受け取る源泉徴収票では、1年分の税金がどう計算されたかを確認できます。
よくある質問
自分で何か手続きをする必要はありますか?
基本的には、会社に年末調整の書類を出せば、改正後の内容で計算されます。新たに扶養の対象になる家族がいる場合は、扶養控除等申告書などの提出が必要です。
11月までの給与の税金は変わりますか?
変わりません。12月の年末調整で、1年分をまとめて精算します。
年末調整のあとに、控除を追加したい場合は?
年末調整で反映できなかった控除は、確定申告で受けられることがあります。詳しくは国税庁の資料を確認してください。
まとめ
- 令和8年度税制改正は2026年12月1日施行。12月の年末調整でまとめて反映される
- 基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ(65万円→74万円)
- 扶養親族などの所得要件が58万円以下→62万円以下(年収123万円→136万円)に
- 23歳未満の扶養親族がいる人は、生命保険料控除(一般)の上限が6万円に
出典:国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A」(2026年10月確認)

