子どもが生まれると、「学資保険には入った?」と聞かれることがあります。周りが入っていると、入らなくて大丈夫なのか不安になる人も多いと思います。
私は30代の会社員で、小さい子どもがいます。学資保険には入っていません。教育費は、新NISAで積み立てている資産の一部として考えています。
この記事では、学資保険とNISAの違い、それぞれが向いている人、NISAで教育費を考えるときの注意点を整理します。「学資保険はやめた方がいい」と言いたいわけではありません。家庭によって合う方法は違うので、選ぶための材料として読んでください。
※制度の内容は2026年10月時点の情報です。投資には元本割れのリスクがあります。
この記事の結論
- 学資保険は「決まった時期に、決まった額を受け取れる」安心感と、契約者に万一のことがあったときの保障が強み
- NISAは「増える可能性」と「いつでも引き出せる自由さ」が強み。ただし元本割れのリスクがある
- NISAで教育費を考えるなら、使う時期の数年前から、少しずつ現金に移す計画を立てておく
- 自分で積み立てを続けるのが苦手な人、保障も一緒に用意したい人は、学資保険の方が合うこともある
学資保険とNISAの違い
まずは、仕組みの違いを表で整理します。
| 項目 | 学資保険 | 新NISA |
|---|---|---|
| 目的 | 教育費の準備(保険) | 資産づくり全般(投資の非課税制度) |
| 受け取れる額 | 契約時にほぼ決まる | 運用の結果しだい(増えることも、減ることもある) |
| 元本割れ | 途中で解約しなければ、元本を上回るように設計されている商品が多い(商品による) | ありうる |
| 引き出し | 決まった時期に受け取る。途中で解約すると元本割れしやすい | いつでも売って引き出せる |
| 契約者に万一のことがあったとき | 以後の保険料が免除され、満期金は受け取れる商品が多い | 保障はない(それまでの資産は残る) |
| 税金 | 受け取り方によって所得税などがかかることがある | 運用益が非課税 |
| 使える金額 | 契約した保険料の範囲 | 年360万円まで、生涯1,800万円まで |
一番大きな違いは、「確実さ」を取るか、「増える可能性と自由さ」を取るかです。
学資保険のメリット・デメリット
メリット
- 受け取れる時期と金額が、契約したときにほぼ決まっている
- 契約者(多くは親)に万一のことがあっても、以後の保険料が免除される商品が多い
- 「教育費のためのお金」として分けておけるので、使い込みにくい
デメリット
- 返戻率(払った保険料に対して受け取れる金額の割合)は、商品や加入時期によって大きく違い、大きく増えるわけではない
- 途中で解約すると、払った保険料より少なくなることが多い
- 物価が上がると、受け取るお金の価値が目減りすることがある
NISAで教育費を準備するメリット・デメリット
メリット
- 長く積み立てるほど、増える可能性がある(運用益は非課税)
- いつでも売って現金にできるので、教育費以外にも使える
- 積み立てる金額を、家計に合わせて変えられる
デメリット
- 元本割れのリスクがある。使いたい時期に値下がりしているかもしれない
- いつでも引き出せるので、ほかの目的に使ってしまいやすい
- 保障はないので、万一のときの備えは別に考える必要がある
私が教育費をNISAで考えている前提
私の家計の前提は、次のとおりです。
- 新NISAで、毎月15万円をS&P500に連動するインデックスファンドに積み立てている
- 教育費は、この新NISAの資産の一部として意識している
- 学資保険には入っていない
- 生活防衛資金(急な出費や収入減に備える現金)は、生活費の3か月分くらい確保している
- 住宅ローン控除の期間中で、繰上返済はせず、投資を優先している
教育費だけのために別の口座を作っているわけではなく、「NISAで積み立てている資産の中に、教育費の分も含まれている」という考え方です。家計の土台の作り方は貯金と投資、どっちが先?にまとめています。
NISAで教育費を考えるときの注意点
1. 使う時期から逆算して、現金に移す計画を立てる
教育費は、使う時期がある程度決まっています。大学の入学金や授業料など、大きなお金が必要になる時期に、ちょうど株価が下がっている可能性もあります。
そのため、使う時期の数年前から、少しずつ売って現金に移していくという計画を立てておくのが大切です。
| 時期 | 考え方の例 |
|---|---|
| 子どもが小さいうち | 積み立てを続ける(時間を味方にする) |
| 使う時期の5年ほど前 | 必要な額を見積もり、少しずつ現金や値動きの小さいものに移し始める |
| 使う時期の1〜2年前 | 必要な額のほとんどを現金で用意しておく |
※あくまで考え方の例です。何年前から移すかは、家計や必要な金額によって変わります。
2. 「教育費の分」を見える化しておく
いつでも引き出せるのはNISAの良いところですが、教育費の分がいくらなのか分からなくなりやすい面もあります。家計簿やメモで、「このうち、いくらくらいを教育費と考える」と決めておくと、ほかの目的に使ってしまうのを防げます。
3. 万一のときの備えは、別に考える
学資保険には、契約者に万一のことがあったときに保険料が免除される仕組みがあることが多いですが、NISAにはありません。家族の生活費や教育費を、万一のときにどう用意するかは、公的な遺族年金や、勤務先の制度、生命保険などと合わせて考える必要があります。
学資保険が向いている人
次のような人は、学資保険の方が合っていることもあります。
- 値動きがあるものは不安で、決まった額を確実に受け取りたい
- 自分で積み立てを続けたり、売る時期を考えたりするのが苦手
- 教育費を、ほかのお金とはっきり分けておきたい
- 保障も含めて、まとめて準備したい
学資保険とNISAを両方使う、という方法もあります。例えば、「入学金など絶対に必要な分は学資保険、それ以外はNISA」と分けると、確実さと増える可能性の両方を取り入れられます。
教育費の準備で、まず確認したいこと
学資保険かNISAかを決める前に、次のことを確認しておくと判断しやすくなります。
- いつ、いくら必要になりそうか:進学のコース(公立・私立など)で大きく変わる
- 児童手当をどう使うか:2024年10月分から、児童手当は高校生年代まで支給されるようになりました。貯めておくと、教育費の大きな助けになります(金額や条件は、こども家庭庁や住んでいる市区町村の案内で確認してください)
- 生活防衛資金があるか:教育費より先に、急な出費に備える現金があると安心
- 住宅ローンなど、ほかの大きな支出とのバランス:住宅ローンがある場合の考え方は住宅ローンと子育てがある会社員はどう投資する?にまとめています
自分だけで判断するのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)に家計全体を見てもらうのも一つの方法です。
よくある質問
学資保険に入らないのは、おかしいことですか?
おかしいことではありません。学資保険は教育費を準備する方法の一つで、入るかどうかは家庭ごとに決めるものです。大切なのは、どの方法でも「いつ、いくら必要か」を考えて準備しておくことです。
新NISAで、子ども名義の口座は作れますか?
新NISAの口座を開けるのは、原則として18歳以上の人です。そのため、教育費は親のNISA口座で積み立てるのが一般的です。ただ、子ども向けの制度については見直しの動きもあるので、最新の情報は金融庁のサイトで確認してください。
教育費は、どれくらい用意すればいいですか?
進学のコースによって大きく違います。文部科学省などが公表している学習費の調査を参考に、自分の家庭の場合を見積もってみてください。
まとめ
- 学資保険は「確実さと保障」、NISAは「増える可能性と自由さ」が強み
- NISAで教育費を考えるなら、使う時期の数年前から少しずつ現金に移す計画を立てる
- 教育費の分を見える化して、ほかの目的に使わないようにする
- 値動きが不安な人、保障も一緒に用意したい人は、学資保険も選択肢になる
新NISAの考え方は、新NISAはS&P500の1本だけでいい?にもまとめています。

